↑光武帝と建武二十八宿伝↑
●字通
 1.編著者:白川静
 2.出版社と初版年:平凡社
 3.高さ×奥行き:26.5cm×20.5cm(3.4kg)
 4.定価:19800円(1996当時)
 5.索引:字音、字訓、四角号碼、総画、部首
 6.ページ数:105+1685+247+110
 7.親字数、熟語数:9500、220000

“白川ワールドで遊べる人限定の字典”

 8.付録:同訓異字、書名解説、作者解説、平仄一覧、常用・人名漢字一覧。また、付録ではないが、「字通の編集について」において、日本の既刊「字書」の特徴などを字書ごとにまとめている。
 9.特徴とコメント:重い。一冊の辞書が3.4kgというのは広辞苑以上に扱いづらい。ただし、紙質は非常によく、文字も大きめである。普通、見出し字は、部首、画数順に並ぶが、この本は字音、画数、部首画数順に並べている。音がわかれば使いやすいが、音が複数ある場合やわからないときは少々とまどう。部首別でないので関連字が並ぶこともなく、辞書を眺める趣味にはあまり適さない。字の説明としては、字、画数、四角号碼数字、音、訓、説文解字字形、甲骨文字形、金文字形、解字、訓義、古訓、声系、語系、熟語、逆熟語を、この順で挙げる。解字には、多く、字を解釈する根拠となった漢籍の読み下し文が挙げられている。熟語の選定には非常に癖がある。まず、二字熟語しか扱われない。三字以上の熟語は一切採用しないと明言してある。加えて、熟語に固有名詞は皆無と思われる。例えば、劉字に挙げられる熟語は、「劉覧(通覧のこと)」ただ一語である。熟語の列挙には二種類ある。漢籍の用例を引いた見出しつき熟語と、熟語とその意味だけを改行なしに並べた見出しなし熟語にわけられる。前者は見やすく、用例に漢文の書き下し文があるため面白い。後者は非常に見づらく、利用に難がある。さらに、見出しつき熟語の採用基準も非常に癖があると思われる。中国古典に親しむには非常に興味深いリストアップであるが、一般の学習用にははなはだ向かないと思われる。

「漢」項目にある熟語の比較
字通: 漢月、漢子、漢仗、漢土(以上用例有)、漢奸、漢簡
旺文社漢和中辞典: 漢音、漢家、漢学、漢奸、漢紀、漢宮、漢景帝、漢語、漢口、漢光武帝、漢皇、漢高祖、漢才、漢三傑、漢子、漢史、漢詩、漢室、漢儒、漢書、漢人、漢水、漢籍、漢節、漢楚、漢中、漢土、漢武故事、漢武帝、漢文、漢方、漢陽、漢和
[文責:dan@天気屋,ein@aya.or.jp]

●学研大漢和字典
 1.編著者:藤堂明保
 2.出版社と初版年:学習研究社 1978年
 3.高さ×奥行き:22cm×17.5cm
 4.定価:4400円
 5.索引:部首、音訓、総画
 6.ページ数:1740+90
 7.親字数、熟語数:11000、70000

“音韻と字形の変化を追う”

 8.付録:
文字と言葉、中国の名著、中国の詩、歴史地図、中国文化史年表
 9.特徴とコメント:古代からの音の4段階の変遷、呉音、字体の歴史変遷図もあり、見やすい配列で、けっこう気に入っています。訳に品詞が明記され論理的。大きなサイズの机上版もあり。大阪の某古本屋では1800円で売ってます。
●漢和中辞典(普及版)
 1.編著者:赤塚忠、阿部吉雄
 2.出版社と初版年:旺文社
 3.高さ×奥行き:19cm×14cm
 4.定価:2350円(1982年版)
 5.索引:部首、音訓、総画
 6.ページ数:178+1302+119
 7.親字数、熟語数:11000、62000

“標準オールマイティー型の漢和”

 8.付録:
漢字の成立と構造、熟語の構造、漢字の筆順、漢文の読み方と句法、漢詩、中国の思想と文学、中国文化史年表、中国年号一覧、中国簡化字表、 中国古典参考図、六十四卦、五行、十二支、時刻、方位、二十八宿、中国歴史地図、中国度量衡表、字音仮名遣い表、平仮名片仮名の起源、行書草書一覧、重要学統図、人名用漢字
 9.特徴とコメント:字の説明としては、画数、字、音、韻、中国語発音、訓、解字、異体字、類似字などの注意、意味、語法、同訓異義、参考情報、熟語、逆熟語を、この順で挙げる。解字で甲骨文字例がある場合がある。意味などで日本固有のものは区別して記載される。
 熟語は、一般的な熟語のほかに、古典の有名な章句、人名、地名などの固有名詞が多く採録される。ただし、文学に関係のある人名、地名が主なので、歴史的な固有名詞には弱い。てごろなサイズで、字を調べるに不便を感じたことはあまり無い。
 ただし、付録の中国古典参考図は、青銅器の変遷や、武器の形状が素人目にも誤っている個所があり、あの参考図は参考にしないほうが良い。[文責:dan@天気屋,ein@aya.or.jp]
●新字源
 1.編著者:小川環樹・西田太一郎・赤塚忠
 2.出版社と初版年:角川書店 1968
 3.高さ×奥行き:17cm×12cm
 4.定価:
 5.索引:部首、音訓、総画
 6.ページ数:128+1176+151
 7.親字数、熟語数:10000、60000

“コンパクトサイズにぎゅっと詰めた漢和”

 8.付録:
中国語の起源と特色、漢字の成り立ち、漢字音について、熟語の構造、中国歴史地図、中国文化史年表、中国年号一覧表、化学元素記号、度量衡表、中国語ローマ字表記一覧表、中国簡体字表、国字・国訓一覧、時刻・方位・五行・四季・色の関係、助字解説、同訓異義、建築図、漢字から仮名へ、常用漢字表、人名用漢字表、人名漢字許容字体表、人名要覧、現代仮名遣い
 9.特徴とコメント:韻・中国現代音記載、親字が下につく熟語が調べられる、出典が記されている。
●新漢和辞典-改訂版
 1.編著者:諸橋轍次,他
 2.出版社と初版年:大修館書店 1963,68年
 3.高さ×奥行き:19.5cm×14.5cm
 4.定価:880円(当時)
 5.索引:部首、音訓、総画
 6.ページ数:983+104+32
 7.親字数、熟語数:8800、54000
 8.付録:
同訓異議、漢文について、漢詩について、漢字について、中国服飾図、歴史地図、都市名変遷表、中国学芸年表、年号表、草字便覧、漢字の書き順
 9.特徴とコメント:漢代の服装図あり。大きさの割には役に立ちます。
●清水漢和辞典-修訂版
 1.編著者:山岸徳平
 2.出版社と初版年:清水書院 1969,80年
 3.高さ×奥行き:16.5cm×11.5cm
 4.定価:980円(当時)
 5.索引:部首、音訓、総画
 6.ページ数:744
 7.親字数、熟語数:1950、???

“日本語用”

 8.付録:
漢字の知識、国語表記、漢字の筆順、故事・ことわざ集
 9.特徴とコメント:日本語読解用。
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